介護福祉士実務者研修とは?費用や期間など徹底解説!受講資金貸付制度でお得に受ける方法も
2021.10.28
「初任者研修の次は実務者研修取らなきゃね」とよく言われる『介護福祉士実務者研修』!
この資格が、介護士ならいつかは取りたい国家資格『介護福祉士』の受験資格に必要だとご存知ですか?
「受験資格に必要ってことは難しいの?」「働きながらでも大丈夫?」そんな心配を解消するために『介護福祉士実務者研修の内容』や『取得するメリット』を詳しく解説します。
そのほか、取得方法やスクール選びのコツもまとめてあるので、ぜひ最後までご覧ください。
介護福祉士実務者研修とは
介護職をしていると一度は耳にしたことがある『介護福祉士実務者研修』。
実際に取得を目指す人の声を見てみると、「スクールの受講費用が高い」「難しそうで取得できるか心配」など、費用や学習内容に対する不安や懸念を抱いている方が多くみられます。
そこで、はじめに『介護福祉士実務者研修』について「資格の詳細」「費用」などについてご紹介!
そして最後に『介護福祉士実務者研修受講費用貸付金制度』と言われる、全額サポートしてもらえる秘密についても教えちゃいます!
介護福祉士実務者研修は介護福祉士の受験資格に必要
介護福祉士実務者研修は介護職員初任者研修の次のステップとされている資格です。
初任者研修の目的は『初めて介護を学ぶ人に向けて、基本的な介護の知識や技術をゼロから習得する』こと!
それに対し、実務者研修は『初任者研修からさらに進んで、幅広い利用者さんに介護を提供する能力を習得する』という目的の研修です。
そして、初任者研修との大きな違いは『介護福祉士の受験資格に実務者研修の修了が義務付けられている』!介護の現場では『介護福祉士』になることが1つの目標とされています。
そのため介護の現場で活躍するなら、実務者研修は絶対に取りたい資格です。
初任者研修より深く、詳しく介護を学べるカリキュラム
介護福祉士実務者研修のカリキュラムは、なんと全450時間!(初任者研修修了者は320時間)では、具体的にどのような内容を学ぶのか見ていきましょう。
【カリキュラムと受講時間数】
カリキュラム | 受講時間 | 初任者研修修了者 |
人間の尊厳と自立 | 5時間 | 免除 |
社会の理解Ⅰ | 5時間 | 免除 |
社会の理解Ⅱ | 30時間 | |
介護の基本Ⅰ | 10時間 | 免除 |
介護の基本Ⅱ | 20時間 | |
コミュニケーション技術 | 20時間 | |
生活支援技術Ⅰ | 20時間 | 免除 |
生活支援技術Ⅱ | 30時間 | 免除 |
介護過程Ⅰ | 20時間 | 免除 |
介護過程Ⅱ | 25時間 | |
介護過程Ⅲ | 45時間 | |
発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 | |
発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | |
認知症の理解Ⅰ | 10時間 | 免除 |
認知症の理解Ⅱ | 20時間 | |
障がいの理解Ⅰ | 10時間 | 免除 |
障がいの理解Ⅱ | 20時間 | |
こころとからだのしくみⅠ | 20時間 | 免除 |
こころとからだのしくみⅡ | 60時間 | |
医療的ケア | 50時間 | |
合計 | 450時間 | 320時間 |
表のように初任者研修と内容が共通する部分は、初任者研修修了者は免除されます。また、どの分野も初任者研修よりも深く、詳しく介護を学ぶことが分かりますね。
初任者研修と違い試験の義務はありません。(※スクールによって確認テストがある場合もあり)そのため最後まで受講すれば100%取得できます。
『介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度』で全額サポート!
介護福祉士実務者研修の受講費用はスクールや保有資格によって幅はありますが、10万円から20万円と高額です。
「資格は取りたいけど、そんな高いお金出せない・・・」このように感じる人が大多数だと思います。そこでぜひチェックして欲しいのがこの『介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度』です。
概要 | 介護福祉士をめざし、介護福祉士実務者研修を受講する介護職員に対し、受講費用を無利子で貸し付ける制度 |
内容 | 受講費用を貸付(条件を満たせば返金不要) |
対象者 | 介護福祉士国家試験を受験するため、介護福祉士実務者研修を受講する方 |
申請先 | お住まいの都道府県の社会福祉協議会 |
この制度を使えば全額費用をサポートしてもらえます。条件を満たすことで返金不要!つまり無料で受けることができます。気になるその条件は下記の2つです。
- 介護福祉士試験に合格すること
- 介護福祉士合格後、介護職として2年以上勤続すること
『実務者研修』の取得を目指す方は、既に『初任者研修』を取得している介護士の方で、介護福祉士へスキルアップしたいと考えている方がほとんどのハズ。
そのような人にとって、この条件は決して難しいものではありません。仮に、条件を満たすことができず、返済が必要になったとしても『無利子』の貸付金なので損をすることはありません。
介護福祉士実務者研修を取得するメリット
一見、初任者研修と実務者研修では現場でする介護の仕事は同じなので、「本当に取った方がいいのかわからない」と思うかもしれません。
ここで、初任者研修から実務者研修へステップアップするとどんなメリットがあるかご紹介します。
介護福祉士の受験資格を得ることができる
介護福祉士実務者研修を取得するメリットの1つ目は『介護福祉士の受験資格を得ることができる』です。
介護士として活躍するなら『介護福祉士』の取得はマストと言っても過言ではありません。その受験資格には介護福祉士実務者研修の修了は必須!
『介護福祉士』のメリットなどついて詳しく知りたい方はぜひ下記の記事もチェックしてください。
介護福祉士になるにはルートが3つ!介護福祉士の仕事内容や …
『サービス提供責任者』として働くことができる
介護福祉士実務者研修を取得すると『サービス提供責任者』として働くことができます。
サービス提供責任者とは、訪問介護の事業所で勤務し、サービス利用者とヘルパーをつなぎ、サービスを提供する責任者です。訪問介護ではサービス提供責任者を『利用者40人に対し1人』置かなければいけない決まりがあります。
そのためサービス提供責任者になれる人材の需要が高い傾向です。もちろんサービス提供責任者になると『給料が上がる』メリットがあります。
資格・役職手当で給料アップできる
介護福祉士実務者研修は介護職員初任者研修よりも上位の資格になるので、資格手当がさらに上乗せされ、『給料アップ』ができます。
さらにリーダーなどの役職に就く可能性も高くなるので、役職に就けばその分役職手当による『給料アップ』が見込めます。
介護福祉士実務者研修の取得方法
介護福祉士実務者研修は受講期間が平均約4ヶ月から6ヶ月です。
実務者研修は介護士として働きながら資格取得を目指している人がほとんど!
仕事と両立して無理なく資格取得できるようなコース選び、スクール選びが重要です。ここでは『通信コース』『通学コース』についてご紹介!
そのほかスクール選びのコツなど、長い受講期間を乗り切るポイントについてもまとめました。
働きながら資格取得を目指そう!通信コース
働きながら実務者研修の取得を目指す方の多くは、この通信コースで取得しているようです。
通信コースはスクール指定の問題集やテキスト、webでの自宅学習+7日間〜10日間ほどのスクーリング(通学)で取得することができます。
通学期間が短いので、シフトの調整もしやすく働きながら資格取得するには無理なくできる!というのが人気の理由ですね。
自宅学習が難しい人におすすめ!通学コース
「なかなか家では集中力が・・・」という方にオススメなのは、全てのカリキュラムをスクールに通学して学ぶ通学コースです。
基本的に働きながら受講する方がほとんどなので、無理なく通えるように、夜間コースや土日コースを設定しているスクールがほとんど!
ただし、通学回数が多いので、通いやすい地域にあるかや振替授業があるかなどをポイントにしてスクール選びをしましょう!
自宅学習やスクール選びのコツをチェックして資格をゲットしよう
全450時間(初任者研修修了者は320時間)という決して少なくない受講時間をどのように先輩たちは乗り切ったのでしょうか?
ここで「途中でギブアップ!」とならないための注意点をご紹介します。
自宅学習の時間の確保とモチベーションを維持する
通信コースなら特に、450(320)時間の大半は自宅学習となります。仕事をしながらの時間確保が実務者研修を取得する上での1番のハードルかもしれません。
人間誰しも「家事に追われて勉強の時間が取れない」「仕事で疲れてやる気が出ない」なんてサボってしまいたくなるものです。
そこで例えば『毎週金曜日の21時から2時間』だったり時間を決めて取り組んで見るのはいかがでしょう。
また、家では集中できないという人は、図書館やカフェなど場所を変えて勉強してみるのもアリですよ。
通いやすいスクールを選ぶ
通学コースも通信コースも必ずスクールに通わなければいけません。スクール選びの際は次のポイントを参考にしてみてください。
①自宅、職場から通いやすい地域にあること
通学のためのアクセスの良さは継続して通うためにはとても大事です。行くのが面倒だと、「今日はやめておこう」なんてことにもなりかねません。
②無料で振替授業ができるスクールを選ぶ
「急に欠勤者が出て代わりに仕事になってしまった」「子供の体調が悪い」などなどいくら通いやすい日程のコースを選んでも都合が悪くなってしまうことはあります。そこで無料で振替授業ができるかどうかを必ずチェックしておきましょう。
まとめ
介護職で活躍したいなら必ずとって欲しい『介護福祉士実務者研修』についてご紹介しました。
介護福祉士への重要なステップとなるこの資格は、実務者研修自体のメリットよりも、その先の『介護福祉士』へのキャリアアップのために取得する人が多いです。
このように『初任者研修』→『実務者研修』→『介護福祉士』と段階を踏んでステップアップできるのが介護職の『キャリアパス』のいいところ!仕事と両立するのは大変ですが、その分返ってくるもの大きい!
さぁ資格取得目指して頑張りましょう。